執事とお嬢様、それから私
破顔。
雅人はとても嬉しそうに、笑った。
こんなにいろんな顔する雅人を見たのは初めてで、ちょっと、いやかなり嬉しかった。
「かのこさん、また遊んでくださいな」
「もちろん!!!!」
「では雅人、明日からまたよろしく頼むわよ。和之ではまだまだね。」
「はい。承知いたしております。」
「よろしい。では、ごきげんよう」
和之からバックをもぎ取り2人に背を向け歩きだす。
入園した時は憎しみが渦巻いていた胸はすっきり晴れていた。
ながかった初恋はわずかな痛みと友情を綾那にもたらしてくれた。
それから…
「今日は…本当に申し訳ありませんでした」
「いつまでウジウジしてますの!!うっとおしいわね!!」
「やっぱり俺は東條さんに勝てない…」
「当たり前じゃない!!」
「お嬢様!!」
きっと顔をあげる和之。雅人より1つわかい和之、童顔だがイケメンだ。真剣な目にドキッとする。
「な、何よ…」
「俺がお嬢様を想う気持ちは誰にも負けません!!!!」
「…好きにすれば…」
「はい!!!!!」
ニコッと笑う和之。
あれ?あれれ?
なんで、顔が暑いのよ…
「和之…エアコン」
「はい」
小さな恋の予感も、ね?
お嬢様と執事の彼女~END~