執事とお嬢様、それから私
あれは蒸し暑い夏の夜。友達に無理やりに連れて行かれた合コンは失敗に終わり、終始酒を飲み続けていた私はいつになく酔っていた。
フラつく足をもたつかせながらヨロヨロ夜道をあるいているといつのまにか数人の男に囲まれていた。
あちゃー…。酔った頭ながらにこれがまずい状況な事はわかった。
「よぉ、なんだか気持ちよさげに酔ってるね?もう一杯ぐらい付き合わない?俺たちとさ」
リーダーっぽい男がいやらしい笑みを顔に貼り付けてちかよってくる。
「いぇまにあってるんれ」
「おっかなりよってんじゃぁん。なぁちょっとそこらで休憩しようぜ?」
そう言って男が掴んだ腕に鳥肌がたつ。
「や、やめて…」
いくら制止しても聞いてもらえるはずもなく、足には力も入らない。
数人の男にピンク色のネオンがまぶしいいかにも怪しい場所に引きずられるようにして連れていかれそうになった。
冷や汗が背中を流れたその時