執事とお嬢様、それから私
お土産の袋をぶら下げながら散歩をする。
「腹へったな?何が食べたい?」
「ん~そぅだなぁ…」
観光案内とにらめっこするかのこはあーでもないこーでもないと言っている。
そんな和やかな時間を壊したのは甲高い女の声だった。
「かのこーーーーー!!!!」
「みっちゃん!?」
かのこがタックルをかけられよろけるのを支える。
「なんでここに…」
「みんなで旅行しよっていってたじゃんか!!かのこが急に来れなくなるっていうから…」
マシンガントークを一度とめた金髪でメイクがどぎついおそらくかのこの友人(にわかに信じがたいが)がこちらを見た。
「こーんなかっくいぃ彼氏いんならしゃーないわね!!かのこ来ないっつたら男子めちゃテンションさがってさーーー」