執事とお嬢様、それから私
入ったのは風情のある蕎麦屋。本当は違う場所を予定していたがあちら側の誘われるままついてきた。
「少々おまちください」
店員が頭を下げて厨房に下がる。席はかのこの前。隣は茶髪だ。
「なぁかっちん!!明後日のレポート、やった?」
俺の存在を丸無視して茶髪はかのこに声をかける。
「うん!!昨日終わらせたよぉ~なんか最後の方わけわかんなくなったぁ~」
「まじかよ終わったの!?アイスおごっから見せてよ~」
「高いよ~」
俺が口を挟めない大学の話を楽しそうにする。茶髪と少し目が会うと『勝った』みたいな顔をされた。
ガキめ。