執事とお嬢様、それから私


「かのこ…ここ」


細い顎をもちあげる。


「ヒャァッ」

「甘い…な」



「「なっ!?」」

「東條さんやるうっ!!」

「イケメンは何しても様になるわぁ」



「じゃぁ皆さん、これから少し、予定があるので私たちはここで抜けさせていただきます。」


そう告げて、ポケッとしているかのこの手を引き、手をふる光菜さんと籐子さん、怒りに顔を真っ赤にする茶髪と負けませんよ…と呟く黒髪を背に旅館へと歩きだした。




「ととととと東條さん!!」

「どうしたかのこ?」

「ななななななな何をっ」

「何ってアイスとっただけだよ?」

「だだだだたからってあんなとこで……」

「あんな所でなに?」

「~~~~っ!!!!」

真っ赤になって黙るかのこ。意地悪なのはわかってる…でも今日は、お仕置きしなきゃ、な?

「かのこは何されたの?」


「…ききききキ、ス」


「よくできました。」

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