執事とお嬢様、それから私


あれはちょうど10年前、俺が ちょっとだけ やんちゃだったころ。

高校3年になっても進路を決める事なく、学校もサボリ、昼間からぶらぶらしていた。


「おう、お前今ぶつかったろ。」

ただ歩いているだけで絡まれる毎日。
この長身と負のオーラのせいだろうか。

「シカトかよ!!こらぁ」

ウルサいな。群れなきゃ動けないこんなヤツらにかまってる暇なんて、あるけどない。

痛いじゃん?手。ま、いいけど。


「くっそぉ…お前覚えてろよ!!!」

捨てぜりふ…古っ。

「あ、兄貴、こいつ…南原和之じゃないっすか?」

「なんだって!?お、おい、いくぞっ」


バタバタうるせーな。

つーか、俺って結構有名人?

まっ、関係ないけどね。
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