執事とお嬢様、それから私


偉そうにふんぞり返って俺を見るガキ。
めんどくせ。

黙ってベンチを立ち歩き始める。

「あら、どこいきますの?」

最初に返事したのが悪かったのかな、気まぐれなんて起こすもんじゃない。


後ろを振り返ることなく、ただ気配は感じながら、いつもより早めに足を運ぶ。


汚れてない、清いがきんちょは

綺麗な所で生きればいい

俺みたいな汚いのに

さわっちゃいけないんだ



…………


……………


…………………







「おいオマエ!!」

「…ハァッ、な、なんですの」

「いつまでついてくんだよ!!!!!」



周りは暗くなってきた

真っ白な少女の周りに、闇が纏わりつく


ずっと、ずっとずっとずーっとついてきたそのがきんちょは

汗だくになりながら優雅に笑った。


「あらやだ。わたくしもこちらに用があるだけよ」
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