執事とお嬢様、それから私
心外ですわ!!なんておこる自称お嬢様を眺める。
まぁ…確かに言葉遣いといい、良いとこのぼんっぽいしな。
「まぁ、いーよ。こっからS町っつーと30分くらいか。バスは…もうこんな時間かよ。こっからじゃもう出てねぇから歩くけど、平気か?」
「…あなた」
ビックリしたようにあやなは目を見開く。
「なんだよ」
「あなた、わたくしお金持ちって聞いてなんとも思わないの?」
「あぁ?めんどくせぇな。別に、関係ねぇだろ。てめーが金持ってる訳じゃねぇし。早く歩くぞ」
「……フフっ。かずゆき。気に入りましたわ!!行きましょう!!」
キュッと手を繋がれる。
小さな手が俺の小指を掴んだ。
あったけーなんて。
思ったりしねぇかんな。