執事とお嬢様、それから私
「失礼します」
「和之!!遅いですわよ!!」
「申し訳ありません」
旦那様がいつまでも仕事しないから、せっかく綾那様に読んでいただいたのに遅くなってしまった…あのエロオヤジめ。
「ミルクティー」
「え?」
「和之のミルクティーが飲みたいですわ!!」
顔を真っ赤にしながらお嬢様は俺にむかって指をさす。
可愛い…
あれから10年たった。両親が事故で死んで、大金の財産目当てに俺を訪れる親戚に嫌気がさし、荒れていた俺を救ってくれたお嬢様への恋心は膨れていった。
年甲斐もなく、一回りも下の、しかもか見分違いのお嬢様への恋は…実るのかな?
最近良く俺を呼んでくれるお嬢様に期待しよう。
「和之聞いてる?早くしなさい!!」
「かしこまりました。お嬢様。」
俺のキャンバスに無断で入ってきて色を塗りたくってくれたお嬢様。
いつかまた…綾那と呼べるその日を願ってるよ。
~執事その2とお嬢様~
END