空の笑顔
慎二について行って、着いた場所はトイレじゃなくて屋上だった。
今日は文化祭で立ち入り禁止になっていて誰もいなかった。
「お前、トイレに行くんじゃなかったのかよ」
「んなの嘘に決まってんだろ!アイツらが居たら話せないしな…」
?どういうことだ?
「……お前、顔に出すぎだっつーの」
「へ?」
「“へ?”じゃねぇよ!隠してるつもりかもしれんがバレバレだ!」
「なっ何が…?」
「アイツらに分からなくても、俺にはわかんだよ…。お前…ずっと空ちゃんのこと考えてただろ?」
なんでいつも慎二にはバレてしまうんだろう。
意外と俺のことを見ている。
「ごめんな…せっかくの文化祭なのによ…」
「別にいいって!ただ俺はお前が心配だ。最近、寝てねぇだろ?」
「あぁ…」
「やっぱ気になるよな。俺もさすがに気になるわ!ホント空ちゃんどうしちゃったんだろうな」