空の笑顔
「慎二…」
「ん?どうした?」
「ありがとな!もう大丈夫だからさ、パァーっと文化祭楽しもうぜ」
「渚、…無理しなくていんだぞ?」
逆に気を遣わせてしまった。
「まぢで大丈夫だって!それにさ…」
「“それに”?」
「すぐ近くにいるじゃん!」
「はぁ?何が?」
そうだよ。
いつも近くにいたじゃねぇか。
なんで気がつかなかったんだよ。
こんなにも近くに……
“空”はいるのに…。
「…ホントだな」
「だろ?大きな“空”がいるじゃねぇか!」
俺たちは寝っころがって“空”を見た。
今日は文化祭日和。
雲一つない快晴。
空が笑ってるみたいだった。