空の笑顔
「…なんで言えないんだよ」
「私が言うことじゃないと思うの…」
そう言って彼女は黙った。
どうしても引っ掛かるのは、今、目の前にいる空の親友の表情。
どこか辛そうで、目は俺に何かを訴えているようだった。
「俺…アイツのこと何も知らないんだ。それが悔しいんだ…だから頼む……」
「本当にごめんなさい。私からは言えない…」
彼女は震えていた。
「でも…」
でも?
「でも…これだけはわかって!空は今でもあなたのことが……」
“好き”ってことを…。