空の笑顔










「…なんで言えないんだよ」


「私が言うことじゃないと思うの…」



そう言って彼女は黙った。






どうしても引っ掛かるのは、今、目の前にいる空の親友の表情。



どこか辛そうで、目は俺に何かを訴えているようだった。






「俺…アイツのこと何も知らないんだ。それが悔しいんだ…だから頼む……」



「本当にごめんなさい。私からは言えない…」


彼女は震えていた。




「でも…」



でも?




「でも…これだけはわかって!空は今でもあなたのことが……」



















“好き”ってことを…。








< 128 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop