空の笑顔
「渚…くん?」
誰かが俺を呼んだ。
振り返ると文化祭の時に会った空の親友、河村由美だった。
「また…会ったね」
「……」
俺は黙っていた。
何故、俺は何も知らないんだ。
自分が腹立たしかった。
「この前はごめんね…」
急に謝ってきた。
どうして謝るんだ?と聞いたら彼女はただ謝りたかったと言ってきた。
「なんで俺ってアイツのこと何も知らないんだろうな…」
俺はぼそっと言った。
彼女は俺の方を向いた。
「…そんなことないと思う」