空の笑顔
なんやかんや言っているうちに海に着いた。
「海だー!」
「夏だー!」
みんな海に入っていく。
小学生みたいにはしゃぐ部員たち。
俺は海に入らずバスケゴールへと向かった。
誰もいなくて俺の貸し切り。
俺はシュートを入れていく。
ふと周りを見渡す。
空の姿は見当たらない。
そしてまたシュートを打つ。
「何キョロキョロしてんだよ」
後ろを振り返ると慎二がいた。
「誰か探してんのか?」
「…別に探してねぇ」
「残念だけどお前が俺に隠し事なんて100年早いわ!」
確かに。
長年の付き合いってやつ?
慎二には何も言わなくてもバレる。