空の笑顔
おやじさんと話し終わった後、病室に戻った。
空は少し落ち着いている。
呼吸も一定の速さで息をしている。
空の隣に座った。
この短時間でほんの少し細くなったような気がする。
元々細かった腕もさらに細くなっているように見える。
自然と潤んでくる自分の目。
こんなにも弱々しくなっている彼女を見るのは正直辛かった。
おやじさんもおばさんも先生に呼ばれ、席をはずしている。
今は空と俺の二人っきり。
俺は空の手を握った。
強く、強く。
本当は抱きしめたい。
そんな気持ちを押し殺して手を握り続ける。