空の笑顔
「私…渚に会って…沢山の事、教えて…もらったんだ」
空は天井をまっすぐ見ながら言った。
「バスケ一筋な私が…本気で、恋愛をしたの…。
告白されたのも…キスをしたのも、こんなに幸せなのも…全部、渚が教えてくれたんだよ…」
「うん…」
「渚に会いに行くのが…毎日、楽しみで…私の生きがいだった」
詰まり詰まりに言う空。
でも、スーっと俺の中に入ってくる。
「お父さんに、怒られたときもあった。…それでも私は、渚…中心に回ってたんだよ…?きっと…この先も、渚…以外、愛せないよ…」
天井をずっと見ていた空は、ゆっくりと俺のほうを見た。
目があった瞬間、空は笑った。
「だから…」
“…ありがとう”