空の笑顔










ある日、由美が渚の居る学校の文化祭に行くと言った。



「会ったら何か伝えたほうがいい?」



由美は私のために言ってくれた。



そんなことしたもっと会いたくなるし、きっと渚はもう私なんか好きじゃないと思ったから「何も言わなくていいよ」そう言った。






でも、由美は言ってしまったみたいだったね。



その証拠に、渚が私の病室に来たんだもん。



渚を見た瞬間、夢かと思った。



もう、本当に会えないんじゃないかった思ってた。



だから驚いた反面、嬉しかった。








その後、渚は静かに私の話を聞いてくれたね。



そして…泣いてくれた。



私なんかのために、泣いてくれた。



それにまだ好きだと言ってくれた。



キスもしてくれた。



私ってホントに幸せ者だなって思った。



それもこれも由美には感謝してるんだ。



由美が言ってくれてなかったら、私は渚に会えないままだった。



真実を伝えないままだった。












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