空の笑顔
俺の背中を慎二が叩く。
「あの子まぢやばい!お前いいなぁ」
小声で俺の背中をバンバン叩きながら言ってきた。
“いいなぁ”って別に付き合ってもないし。
そう考えるとほんと俺と空の関係って何だろう。
俺はふと頭の中でキミと付き合ってるのを想像した。
いつかこうなればいいなって思った。
「渚くんはまた練習?」
空は置いてあったボールを取って俺に渡した。
「今日はさ、部活の練習で来てんだ」
「でも…渚くんと慎二くんしか…」
「他の部員は海で遊んでる」
俺は海の方を指で指す。
空はほんとだ!って笑っていた。
本当によく笑うやつ。
横で慎二がテンションが上がっていた。
「どうしたんだよ」
「“慎二くん”だってさ!かわいすぎ!」
はいはい。
勝手に言ってろって。