空の笑顔
「きれい…」
俺も口には出さなかったけど素直にそう思った。
今まで何回も見た花火だけどそんなに思わなかった。
でも今そう思えるのはきっと隣にいる女の子に恋をしたから。
「渚くん」
空は下を向いて俺を呼んだ。
「…ん?どうした?」
「慎二くんはなんで私なんかを好きになってくれたのかな?」
そう言った空は悲しい顔をしていた。
最近見せなかったあの顔。
出会ったときにたまに見せていた悲しい顔。
やっぱり空は何かを抱えている。
でもそれはわからなくて…。