空の笑顔
嬉しかった。
俺と同じ事を思っていたことが嬉しかった。
「ごめんな、慎二」
「いいって!謝んなよな。…大事にしてやれよ」
「あぁ、もちろん!」
そう言ってお互い笑った。
やっといつもの俺らに戻った。
ここ数日間のことが嘘のように俺たちは他愛もない話をした。
夏祭りの帰りに空き想いを伝えたことも話した。
「ってかやっと付き合ったのかって感じなんだけど」
慎二は意味の分からないことを言い出した。
「どういう意味だよ」
「俺はてっきり夏祭りの時点で付き合ってんのかと思ったし」
「なんで?」
「だってお前ら、すでに両想いだったじゃねぇか!」