Life is Happy?
「最近痩せた??」友達のもこが言う。
「わかんないけど、なんか食べたくなくってよくわかんない。」
「私の友達がさー拒食症でもう超やばくって、もう超可愛そうって感じでさー
 ななも拒食なんじゃん?一回病院行くとか?」

その頃のあたしは時々、激しい空虚感と、突然くる発作のような、
頭が真っ白になって周りの声も聞こえなくって、理由のない怖さに襲われていた。
テレビで見るCMやグルメ番組で人がおいしそうに食べるのを見ると体が震えて吐き気に襲われていた。
気のせいだとなんとか言い聞かせて毎日を過ごして居たけど。

だんだんその症状は悪化していった。
急激に痩せていった。
確実に体がおかしくなっていった。
あげくの果て妙に外食が怖かった。
おなかが空いたと思って入ったのに
メニューを見ると目の前がぐるぐる回って
またあの理由のない怖さに襲われて
席を立ってしまうようになっていた。

高校3年生になる春休み、
ずっと気にしていた母親に勧められて抵抗はあったがはじめて心療内科に行った。

音楽を聴くと楽しいですか?
くだらないとおもいながらそんな項目がたくさん書かれた
カルテにマルやバツをつけていった。

軽くカウンセリングいたいなことをして診察を受けた。
やさしい顔のひげの先生で、
「若い女性に多いんですよ。薬を処方します。2週間くらい飲めば症状もだいぶ落ち着いて来ますから安心してください必ず治りますから」

「パニック障害」って言葉を聞いたのはこのときがはじめてで
この先生の笑顔にホッとして治るという言葉に安心した。
このときのあたしは風邪をひいたように思っていたよ。
薬を飲んだら元に戻るんだって本当に信じていた。

私はその日のことを明確に今でも覚えていて、
その日は久しぶりに母と笑っておいしく食事をしたのを覚えている。
本屋で買った毎月楽しみにしていたギャル雑誌。

これはなにもかものはじまりだった。



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