倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
うぅん……

「真昼ちゃん大丈夫?」

真二が真昼の手を取り、歩き出した。

もうあたりは薄暗くなり、街灯がともり始めた。

「真二君、どこまで行くの?」

真二は黙って歩いている。

やがて二人は、地元では大川と呼ばれている川にたどり着いた。

「さぁ真昼ちゃん、僕と一緒に飛込もう。」

わけがわからなかった。

「嫌よ!」

真昼は嫌がった。

真二は言った。

「駄目だ。真昼ちゃん、君は今死にかけているんだよ!
助かるにはこうするしかないんだ!」

グイッ……

ザッパーン!!

真昼と真二は川に落ちた。

(苦しい……!)

その川は水位が深い時には地元の人が、猫を投げ込んで殺していた川だった。
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