倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
真昼はその夜、例の色の白い女がいつもいる木橋へ行き、中央から飛込んで潜って、川上を目指した。

この川は一定の時間だけ、異世界へ通じているのだ。

水は乳白色に濁り、藻が絡みつき気持ちが悪いが我慢して川上に着いた。

そこの滝の裏の洞窟へ真昼は入った。

いくつもに中は分かれているが、真昼は迷わずに一つの方角へ進んだ。

そこは昭和の時代、静香がまだ2歳である。

静香はもう、姉の美幸にいじめられ、実母にも虐待を受けていた。

真昼は、小さな勝手口に回ると、美幸が地面に絵を書いていたので、手袋をはめ、大きな石で美幸の頭を殴った。

美幸の頭から大量の血が流れて来たのを見ると立ち去った。
< 11 / 258 >

この作品をシェア

pagetop