倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
その時だった。

「誰だね。
許可も無く教室に入って来て!」

どうやら理科の教師らしい。

「ちょうどいい。
解剖を手伝って貰おうか。」

そこには開腹された人体が横たわっていた。

「はい。
これは800グラム。
もう計量したから、これはそこのホルマリン液に浸けて。」

グチャッ…

内臓が真昼の手に置かれた。

真昼は拒否反応からとっさにホルマリンに投げ込んだ。

「次はこれ、小腸と大腸だ。」

ズルズルと手掴みで出し始めた。

幾等あの世の住人に慣れていても、解剖は嫌いであった。

真昼はメスを机から取ると、メチャクチャに振り回した。

腸がボトボト落ち、教師の耳や指もボトボトと床に落ちた。

怖さから真昼は教師が追って来れないように、二つ同時にメスを教師の両目に突き刺して逃げた。

爆撃音はまだ続いている。
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