倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
途中、音楽室の前に通りかかった時、真昼はまた中の教師に呼ばれた。

「もうテストはあなただけよ。
さっさと済ましちゃいましょうか!!」

「あの……。」

「なんですか?」

「課題曲は何でしたっけ?」

「仕方ない人ね!
雑草の章のソプラノのもう一つ高いパートでしょ?!」

「あっ…そうなんですか。」


幸~せとは~♪
幸~せとは~♪
花瓶に挿した~♪
薔薇色だとは~♪
思いたくない~…

色もな~く~♪
匂~いも無いけれど~♪
無いけれど
~♪
太陽を見返して咲く~

命こそ~♪

シクシクシクシクシクシクシクシクシクシク……

真昼がハッとして周りを見ると、いつの間にかモンペ姿の少女達が、真昼の後ろで体育座りをして、真昼の歌を聞きながら、感動して泣いていた。

「素晴らしいわ!!」

先生が拍手を始めると、皆も一斉に拍手を始めた。

チュン…
チュン…

いつの間にか夜が開けようとしていた。

同時に生徒達の姿も消えていった。
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