倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
芳恵は松西にどんどん惹かれていった。

テーブルの下でいつも手を握りあい、暗くなるまで過ごした。

もう一人の関と言う男子生徒とよくふざけて、芳恵を壁に松西が両手首を掴み、押し付けると、関が両足首を掴み、松西が制服の手首の中に指をさしこんでは、

「ここって……感じるでしょ。」

と、悪戯して囁いた。

芳恵は頬を染めて、

「やめて……。」

と、懇願した。


なんとも言えないゾクゾクとした感覚がした。

「許して……。」

泣き顔に二人は手を離してくれ、

「涙にはかなわないなぁ。」

と、明るく言って、

「ゴメン、ゴメン。」

と、謝った。

「ここ、三角筋があるんだよ!
触ってみて!」

松西が指差した所を、芳恵は探すべくなであげた。

「あっ……そんな風に触られたら……。」

松西が悩ましい声を出した。

「帰ろう。
もう暗いから。」

「うん……。」

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