倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
芳恵は毎晩松西の事を考えていた。

かなわない思いを、妄想で遂げていた。

……好きっ……松西くん…………。

誰にも言えなかったが、仲良しの真昼には、松田が気になると伝えていた。



でも松西には憧れの先輩がいた。

サリと言う子で生徒会だった。

卒業が迫りある日芳恵は、真昼の勧めでお茶の出稽古の帰り、松西を呼び出し、駅まで送ってもらいつつ、真昼の言う穴場の材木置き場に差し掛かった時、自転車を押す松西の後ろから抱きついた。

「松西くん……。」

「芳恵さん!?」

華奢な体にGカップの胸を、松西の少年の背中に潰れる程押しあて、ドキドキしていた。

「好き……。」

でも、進展がなくて、離れた。

「ゴメン。」

そう言うと芳恵は電車に乗り、泣いた。

数日後、借りていた漫画に手紙を挟むと、次の漫画に返事が挟んであった。
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