倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
「君は全くご先祖様を大事にするねぇ。」

ニコニコと笑いながらお茶を出された。

お茶を頂きながら、住職の顔を見ていたら、住職の顔が揺らいだ。

次の瞬間、真昼は床に倒れていた。

住職は倒れた真昼から、生徒手帳を抜き取った。

やがて、真昼は夢を見ていた。

水子地蔵の足元の赤子達が泣きながら、抱いて抱いてと泣く夢だった。

水子地蔵は一人の赤子だけを腕に抱き、優しく真昼に微笑んでいた。
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