倒錯夜話(センチメンタルナイトホラー)
真昼がたどり着いたのは、夜の学校の屋上だった。

いつか話した事のある女生徒がそこにいた。

「私を呼んだのはあなた?」

真昼が尋ねると少女は頷いた。

「私に何の用なの?」

少女は語り始めた。

「いつかは私達に歌を歌って下さり、ありがとうございました。

私達あれですごく癒されました。」

少女は言った。

「私がいなくなって、空の穴は広がらなくなったんでしょう?

酷い目にあわせてごめんなさいね。」

真昼は謝った。

すると少女は、

「違うんです!!
私達…本当はもうここにいたくないの。

空襲は怖いし、先生達には…。」

少女は言葉に詰まった。
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