空になりたかった海
「まったく、お前は…15歳とは思えないな」

そう言いながらも父はニコニコしている。


私自身も、いつもイライラしている母よりも、父といる方が気がラクだった。


「彼女ってどんな人なの?」

私は父に尋ねた。


「いや、そういう話をお前とするのはさすがにムリだ。ただ、いつも心にあるのは、お前に対して申し訳ないって気持ちだよ」


「ウチは平気だよ。お母さんとうまくいってないのは知ってたしさ」

ベッドにゴロンと横になり、私は言った。


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