空になりたかった海
店を出たところで、父は
「しかし、お前がナツさんと仲良くなるとはなぁ」

と私を振り返って言った。


「自分でもよく分からないけれど、なんだか魅力的な人だよね。変な言い方だけど、お父さんが好きになった気持ち、分かるんだよね」


「おう、それはサンキュー」


父がふっきっている様子で、私は安心した。


< 120 / 282 >

この作品をシェア

pagetop