空になりたかった海
「ただいま」

家について台所へ顔を出すと、母が冷蔵庫の掃除をしていた。



「お父さんどうだった?」

母には父とランチに行くことを言っていた。
やはり気になるようだ。

あまりイライラされているのも困るので、ここはご機嫌とっておくか。


「なんかね、とっくに好きな人とは終わっていたみたいだよ」


ガタンッ

と、音がして何やらひっくり返したようだ。

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