空になりたかった海
「光か。無事出発したか?」


「うん。もうすぐ高速に乗るとこ」


「車なのか?そっか…。ま、気をつけて行ってこい」


私はチラッとナツを見た後、

「アリバイ作りよろしくね。ナツさんと、思いっきり夏を楽しんでくるからね」

と言った。



「お前たちのせいで、ロクに街も歩けないよ。もし、母さんに見つかると、今度こそ殺されるからな」

と、父は笑って電話を切った。


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