空になりたかった海
高速道路に入っても、道は空いていた。


途中のサービスエリアに入って、私たちはトイレを済ませて、休憩所でお茶を飲んだ。



「なんだか不思議。光さんと旅行にきてるなんてね」

ペットボトルを両手に抱えて、ナツさんが言った。


「ほんとだね。でもさ、なんか私、ナツさんと似てると思うんだよね。どこがかはうまく言えないけど」


「あぁ、なんとなく分かる、それ」


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