空になりたかった海
ナツの言ったとおり、さっきまでの雨はどこへやら、快晴の天気になった。


浜辺には、天気の回復を待っていた人たちが次第に増えている。



私たちは、ホテルのサービスのパラソルとシートを設置した。


「なんか、静かだね。海って、もっとにぎやかだと思ってたよ」

私が言うと、ナツは

「そうねぇ」

と、聞いているのかいないのか、せっせと日焼け止めを全身に塗りたくっている。

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