空になりたかった海
「せっかく海にきたのに、水着きたらいいのに。なんか、それじゃ、お忍びできた芸能人みたい」

ナツは、大きな帽子とサングラスをかけ、長袖・ロングスカートといった完全防備だ。



「この世でいちばん怖いのは、紫外線だと思うもの。私は浜辺でノンビリするのが好きだから、光さんは気にせず遊んできてょ」


そう言ってナツは、文庫本を取り出して横たわった。
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