空になりたかった海
チェッと思いつつ、砂に足を踏み出すと、思ったより熱い。


さっきまで雨がふってたのに、太陽はバカにできない。


爪先で早足で水際まで走った。


久しぶりの素足で砂を踏みしめる感覚に、なんだか楽しくなる。


足にたわむれる水は冷たかったが、少しずつ体を慣らしてゆくと、意外にすんなりと肩まで入ることができた。

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