空になりたかった海
みやげ物屋もチラッと見た後、私たちは隣にある休憩スペースに座った。

無料のローズティーを飲んでみるが、微妙な味に2人で笑った。


「ナツさんさ、お父さんのどこが好きになったの?」

私は聞いた。


「ええっ、そんな話聞きたいの?」

ナツは目を開いて笑う。

「なんでも話せるのが、友達ってもんだぜ」

おどけて言ってみせる。

ナツは「そうねぇ」と言いながら、しばらく悩んでいたが、その後話し出した。

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