空になりたかった海
コンビニまでは、父に迎えに来てもらった。


ちょうど昼休みということで、さほど待つこともなく、白いセダンがやってきた。



「おい、真っ黒になってるな~」

父が驚いた顔で、助手席に乗り込んだ私を見て言った。



「ありがとね。で、バレてないよね」


私は、父の問いかけをスルーして、気になることを先に聞いた。



「もちろん。あ~これで堂々と生活できる」



父はナツとのことを聞いてはこなかった。
家につくまでの間、私はまた深い眠りに落ちていった。



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