空になりたかった海
家につくと、父は

「じゃあな」

と、そのまま帰ろうとしたので、半ば強引に家の中に引っ張っていった。

母は驚いた様子だったが、まんざらでもなさそうに父にお茶なんかだしている。


「じゃ、ウチ、部屋にいるから」

邪魔者は消えようと、廊下に出ると、父があわてて追いかけてくる。
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