空になりたかった海
「それどころじゃないんだよ~。ま、いいや。またね!」


私は走り出した。


頭が割れるように痛い。

ナツに何かあったのだろうか…


バス停までようやくたどり着いた時、私は後ろから正彦が走って来るのを見た。



「なに?どうかした?」

吹き出す汗をハンカチでふきながら尋ねると


「あぁ…、いや、大変そうだし。どこ行くんだ?」


と正彦が不思議そうに言った。


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