空になりたかった海
【3】 19日(3)、こぼれおちるもの
正彦は
「はぁ?」
と言った後、笑おうとしたが、私の表情を見て固まるのが分かった。
「ごめんね。これも区切りなんだ。ウチ、ずっとまさくんが好きだった。好きでたまらなかったの」
意外にも私は笑っていた。
感情を思いのままに伝えた。
「マジで言ってんのか?」
まだ半信半疑のようだ。
正彦は落ち着きなく、手をブラブラさせていた。
「まさくん、大丈夫だから。返事はいらない、分かってるもん。ただ、区切りとして伝えたかったんだ」