空になりたかった海



ようやく涙が売り切れになり、静けさが戻ってきた。


辺りはだいぶん暗くなってきている。


正彦はまだ肩を抱いていてくれていた。
彼の呼吸やにおいを感じた。



好きになってよかった、そう思えた。




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