空になりたかった海
「じゃあさ、映画みたいなぁ」

恋する乙女の紗耶香が言った。


「あー、ウチも。夏休み映画、おもしろそうなのあるもんねぇ」


「光は関係ないじゃん」

「なんで?3人で遊ぶんでしょ?」



紗耶香は、首を横に振って

「協力してくれるんでしょ。だったら、光は映画がはじまる前に用事ができたことにして退散してよ」

と、冷たく言い放った。


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