空になりたかった海
梅雨が終わり、街が夏の色をしている。


デパートを見て回った後、そろそろバスターミナルへ向かおうと歩き出したところで、前からニコニコと笑顔で歩いてくる彼女に気づいた。



「あ…」


思わず声がでた。


彼女は、笑顔のまま私の手を両手でにぎった。


「光さんでしょ?また会えたね」




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