空になりたかった海
「よかったら、今から少し話せるかな。せっかく会えたんだし、お話したいの」


「ええ…でも…」


気後れしている私に気づいていないのか、ナツは私の手をひくように歩き出す。



「あー、よかった。ほんと、ちゃんと話がしたかったのよ」


ナツの声にのって、また甘い香りが鼻をつつんだ。


まだ、嫌悪感はでてこない。




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