空になりたかった海
気分が良いまま、私は再び下に降りていった。



母のご機嫌でもめずらしくとろうと、

「何か手伝おうか?」

と尋ねると

「庭の水まきやってちょうだい」

と言われた。


リビングの窓から、サンダルを履いて庭にでる。まだ朝なのに、すでに暑い。


鼻歌まじりに庭に水をやっていると、正彦が通りかかった。



テニス部は夏休みも関係ないのだろう、ラケットとバッグを背負い、ユニフォームを着ている。


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