空になりたかった海
幼なじみのご近所さんだから、こうやって会うのはしょっちゅうのことだが、それすらも神に感謝しちゃう。
それくらい私は機嫌が良かったのだ。
「よっ、まさくん。おはよう~」
おどけて言ったつもりが、正彦は私をちらっと見ただけで
「おぅ」
と小さな声でつぶやいてさっさと歩いてゆく。
「それだけー?」
と言ってみたが、振り返りもしない。
それくらい私は機嫌が良かったのだ。
「よっ、まさくん。おはよう~」
おどけて言ったつもりが、正彦は私をちらっと見ただけで
「おぅ」
と小さな声でつぶやいてさっさと歩いてゆく。
「それだけー?」
と言ってみたが、振り返りもしない。