空になりたかった海
「光~。びっくりしたよ、まさか会社まで会いにきてくれるなんて」


「お父さんごめんね、忙しかったんじゃない?」

父は、向かいの椅子に腰かけると

「大丈夫だ。しかし驚いたなー。いや、うれしいよ」

とニコニコしている。


「今日はお願いがあってきたの」

私は言った。



「おー、言ってごらん」
父はますます笑顔だ。無理もない、前回尋ねて以来の再会なんだから。
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