春夏秋冬~それは奇跡の幸せ
ゆっくりと昇る初日の出をベランダから眺めていた。
町を優しく照らし、早朝を知らせる。
彼女は見ているだろうか。
防寒着を着ていても冷える指先。
冬ならではの痛みに耐えながら絶景とも言える綺麗な太陽を目にやきつける。
朝食を終え、僕は彼女と共に馴染みの海岸へ向かった。
初詣に行く予定だったが、二人とも人混みが苦手で誰も居ない海岸へ変更した。
煌めく海水は穏やかに波立たせて優しく音を奏でる。
何故、母成る海と呼ばれるのか分かった気がした。
僕らは何かを伝える訳でもなく、ただ傍に居て、無限に広がる海と空の間に見える地平線の向こうを想像した。
もしかしたらあの向こう側にもう一つの世界があるかもしれない。
もしもあそこで途切れていたら…。
有り得ない妄想を膨らまし、それぞれの価値観で世界を造る。
破滅を迎える世界、人々が与えられた時間を全力で突き進む世界、誰も何もない無の世界…。
自分の知らない所で新たな世界が生まれているかも知れない。
そう考えると全てが悲観的に思えてしまう。
生きる事に疲れた人の気持ちはこんな感じなのだろうか。
町を優しく照らし、早朝を知らせる。
彼女は見ているだろうか。
防寒着を着ていても冷える指先。
冬ならではの痛みに耐えながら絶景とも言える綺麗な太陽を目にやきつける。
朝食を終え、僕は彼女と共に馴染みの海岸へ向かった。
初詣に行く予定だったが、二人とも人混みが苦手で誰も居ない海岸へ変更した。
煌めく海水は穏やかに波立たせて優しく音を奏でる。
何故、母成る海と呼ばれるのか分かった気がした。
僕らは何かを伝える訳でもなく、ただ傍に居て、無限に広がる海と空の間に見える地平線の向こうを想像した。
もしかしたらあの向こう側にもう一つの世界があるかもしれない。
もしもあそこで途切れていたら…。
有り得ない妄想を膨らまし、それぞれの価値観で世界を造る。
破滅を迎える世界、人々が与えられた時間を全力で突き進む世界、誰も何もない無の世界…。
自分の知らない所で新たな世界が生まれているかも知れない。
そう考えると全てが悲観的に思えてしまう。
生きる事に疲れた人の気持ちはこんな感じなのだろうか。